10年前くらいにあったスマホのホントの話

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この記事の所要時間: 157

なぜ雑誌や書籍が書店に並ぶのか?

それは誰かが運んでいるからに他ならない。
出版社が直接書店と個別に交渉してA店に20部、B店に30部など決めて送っている場合もあるだろうが、多くの場合、出版取次を通す。
出版取次とは、簡単に言うと出版社と書店を繋ぐ流通業者。書籍や雑誌が水だとすると出版取次は水道管みたいなものだろうか。

書籍や雑誌のだいたい裏表紙にバーコードがある。
このバーコードはISBNといい、世界共通で書籍などを特定するための番号だそうだ。

International Standard Book Number。

国や出版社、出版物を識別する、このISBNが間違っていたら大変なことになる。かどうかはわからないが、人間でいうところの本籍入りの住民票みたいな物なのだろうか、間違ってたらマズイので発売前には出版社の営業の人間が必ずチェックする。

ある日、営業の人が部下に話かけた、

「あー!ISBN確認すんの忘れた、ちょっとお前取次行って確認して来い」
「え?私、これから書店営業に出るところなんですけど」
「俺がまた取次行かなきゃダメ?遠いんだよなー。やっぱ、お前行ってこいよ」
「書店さんと約束してるんですよ。取次行ってたら間に合いません。先輩が忘れたんだから自分で行ってください」
「しょーがねーなー。行くか。こういうことあるからバーコード読める機械買おうって言ってんだけどなー」

さて、私の手元には1台のスマホがある。

「バーコード読めれば良いんですか?」
と私は話かけた。
「そうだよ。取次にあるのよ、バーコード読む機械が」
「スマホで読めるんじゃないですか?」
「いやー、読めないだろう」
「やってみます?ところで取次にあるそのバーコード読む機械っていくらくらいするんですか?」
「10万くらいじゃない?取り敢えずやってみてよ」

バーコードリーダーのアプリを立ち上げ読んでみると、13桁の数字が画面に表示された。

「お!!読めたじゃん!!合ってる!合ってる!ありがとう!!助かったー!」

経費10万が0円になった瞬間である。ついでに交通費も浮いた。

その日から発売日が近くなると、営業の人が私のもとに、
「ちょっと、これ読んで」
と、現れるようになった。

この事象はスマホの普及と共に、消えていった。