新しいツールは「身近な課題」で遊び倒すのが最強の学習法だと思います
「生成AIとどう付き合うか?」、「神プロンプトはこれだ!」、「このAIが最強だ!」etc、そういうAIに精通した人が色々発信しているのを「なるほどなぁ」とありがたく情報として享受しつつ、とりあえず新しいものは色々使えるうちに使っておこう!というのが良いんじゃないかと思っています。
課題の発見:スキル習得は「目的」ではなく「手段」
四半世紀以上前、まだExcelを使える人があんまりいなかった時代、出版社でバイトをしていました。
季刊誌のアシスタントだったので、すごい暇な時期もありました。そんな時に、興味本意でExcelをちまちまといじっていても、やっぱりなんのこっちゃわからない。。。
計算したり表を作れたりといっても楽しくない。そう、何せ楽しくない!
Excelを使うには、課題がないと使う気にもならない、ということがわかりました。
隣の編集者のデスクをみると、高く積み重なったハガキの山がありました。
読者アンケートハガキです。今でも週刊少年ジャンプがやっているヤツです。
「一番面白かった記事はどれですか?」、「購入のきっかけを教えてください」、「満足度を教えてください」、などの問いに対して、[①大変満足][②満足][③ふつう][④不満][⑤大変不満]みたいな①〜⑤までの選択肢があって選んで送り返すと図書券が当たるかも、みたいな。
アナログのマーケティングリサーチ。
今日だと、わざわざハガキでアンケートに答えるなんて面倒と思えますが、当時は一般的で、雑誌1号あたり1000通くらいはアンケートハガキが来ていた記憶。
週刊少年ジャンプの最盛期(600万部くらい?)は3万通もアンケートハガキが来ていたというので、わざわざ切手を貼って送るアンケートだというのに化け物ですね。読者の熱量のすごさ。
実践と試行錯誤:面倒な作業の中にも、学びが
という訳で話を戻すと、アンケート集計というExcelを使う材料としての課題を発見したのでした。
「アンケート項目」「選択肢」を並べて、ひたすら数字を入れていく簡単なお仕事です(超面倒くさい、ただただ面倒くさい)。
それを元に、「おお、グラフも作れるぞ!」とか「こっちの表の方が見やすいかな?」などと、面倒ながらも楽しんでアンケート集計and報告書ができあがったのでした。
報告書ができあがる頃には、簡単な関数とグラフのカスタマイズができるようになり、スキルレベルアップ。
そして思わぬ副産物。
「アンケート集計を外注しなくてよくなったから年間100万円以上浮いたよ」byボス
それを聞いた私は素直に、
「ギャラ上げろ!!」
と思いました。
応用:別の領域でも「課題ドリブン」で挑戦する
さて、生成AIを使うにも課題が必要だなと。
sunoで音楽を生成する、とか興味関心があることは勝手にやる。
仕事で使う分には自然と色々工夫していく。
それ以外に、どうせAIで何か生成するならば、自分ではできないこと、やらないことをしたい、と思う訳です。
まずは、自分では到底辿りつかない、話題になりそうな絵や写真を生成してみようと思いました。
綺麗で艶っぽい女性を生成できたら人気が出るのでは?プロンプトが売れたりするのでは?
という色んなスケベ根性がムクムクと生まれます。
いざやってみると、日本語でプロンプトを書くよりも英語の方がイメージに近いものが生成されるような気がすること、艶っぽさを追求するためにセクシーとか直接的な表現をすると生成できなくなること(性的コンテンツはNG?)などがわかってきたと同時に、カミさんに「何やってるの?」みたいな目で見られることと、イメージ通りでない、話題になりそうもない画像ばかりを生成している自分になんだかなぁと思い続きませんでした。楽しくなければ続きません。
やっぱりプログラミングが良いかなと。エンジニアにお願いしなくても、そこそこのモノができたら仕事にも役立ちそうだし。
ハンドボールの作戦ボードをweb化してみようと。
ひょっとしたらハンドボーラーの娘の役に立つかもしれない。
実際にweb化されているものは存在する。
けれども、セキュリティ的には人のサービスに乗っかるより、自前の方が良いはずだ!とテキトーに理由を付けてレッツトライ。
アウトプットの品質が大切なのではない、練習のための課題が必要なだけだから。
「ハンドボール作戦ボードのWebアプリ化」
目的:チームの戦術共有をスムーズにしたい。
要件:コート図の上で選手コマを動かせる、などなどなど。
割りと細かく要件を出して、「ボタンが押せないから修正して」「ボタンの押せる範囲を広くして」など色々とやりとり。
すると、30分程度で、基本的な機能を持つプロトタイプが完成してしまいました。
みんなで共有できる仕様に変更もして、なんとなく満足。共有できるverは非公開にします。
娘に見せると、「実際に使ってるボードあるから必要ないかも」。
まぁ、そうですよね。。。
しかし、30分程度でこういうのが作れるのは、要件さえ出せればある程度のモックは作れるという訳で、仕事の役にも立ちますね。
まとめ
身の回りにある「ちょっとした不満」や「地味な課題」に目を向けて、色んなツールを使って自分と距離の遠い領域を近づけるのは面白いですよね、って話でした。