確定申告と私の不思議な関係 〜人は成長する、私は躊躇する〜
誰もが避けて通れない確定申告。その季節が近づくと、多くの人が頭を抱えると思います。私もその一人。でも、ある特別な場所で、人生の大切な教訓を学ぶことになるとは、想像もしていませんでした。
話は10数年前に遡ります。行きつけの居酒屋で、人生の先輩から受けた何気ないアドバイス。
「フリーランスになるなら、青色申告会に入っておいたほうがいいよ」
その一言で、私の確定申告人生は大きく変わることになります。
それから数年後、会計ソフトfreeeを使い、FP2級の資格も持つ私。理論上は、自力で完璧な確定申告ができるはずなのです。それなのに、なぜか毎年、青色申告会の扉を叩いています。
「何故?」と聞かれれば、答えは単純です。ただの「安心感」。
でも、その安心感の正体が分かったのは、ある失敗がきっかけでした。
freeeで作成した確定申告書を持って青色申告会に行ったとき、思わぬ発見がありました。住宅ローン控除の項目が抜けていたのです。FP2級を持っていても、実務経験のない私には気づけなかった盲点でした。
その経験から、青色申告会は私にとって「お守り」のような存在になりました。毎年通う儀式のような。
そして2025年。例年通り青色申告会を訪れた私を待っていたのは、意外な感動的シーンでした。
前年、頼りなさそうだった若手担当者が、たった1年で見違えるほど成長していたのです。あの不安げな表情は消え、自信に満ちた眼差しで書類と向き合う姿に、私は心を打たれました。
人は確実に成長する。でも、その一方で、私はいつまでも青色申告会という「安全地帯」から抜け出せないでいます。来年こそはe-taxで…と毎年思いながら、結局は青色申告会の扉を叩くのです。
これって、成長を恐れる私の臆病さでしょうか?それとも、人との繋がりを大切にする賢明な選択なのでしょうか?
確定申告。それは単なる納税の手続きではなく、私たちの人生の縮図なのかもしれません。成長する人を見守りながら、自分の成長と向き合う、そんな特別な時間なのです。
さて、来年の確定申告はどうしましょうか。 青色申告会の扉を叩くのか、それともついに一人で挑戦するのか。 答えは、まだ分かりません。でも、それを考えること自体が、私の小さな成長の一歩なのかもしれません。