ハンドボール部が突然の離任報告に揺れる!後任は誰に?

娘はハンドボール部に所属している。
去年までは男女共に強豪校と呼ばれるに相応しかった。
男女ともに春中に行き、夏、女子は関東大会出場、男子は全国2位。
偉大な先輩たち。

今年、娘の代になり女子は県大会に出場できないという悔しい思いを味わった。
意識の低さと練習不足、ということなのだろうが。
それから数ヶ月経ち、素人目で見てもチームとして強くなったように思う。
次の大会では上に行けるよう期待を込めつつ。
親の本音としては、
「最初から、前回の大会からそんな感じでやれただろうに、、、」
と言いたいところだが、そう簡単ではないのもわかる。

強くなったのには、本人たちの努力・意識改革はもちろんだが、指導する顧問の先生の力が大きいように思う。
顧問の先生は3人。
中心となって指導しているのは、ハンドボール経験者で10年間(たしか)顧問しており、実績多数。本文では以後、10年先生とする。
そして、同じく学生時代ハンドボール経験者で7年間顧問をしている先生。以後、7年先生。
そして、ハンドボール経験者ではないが野球経験者で主に1年生を教える6年先生。
基本レギュラーメンバーには10年先生と7年先生が教えている構図。

さて、年が明けると保護者の間で話題になるのが、

「10年先生が今年で離任するらしい」

という噂。
公立中学では、6,7年で離任することが多いそうで、ここ3,4年、毎年噂になるらしい。
10年先生も7年先生も6年先生も人柄と実績、怒る指導ではなく、論理的な修正指示を都度する指導で、生徒からも保護者からも信頼が厚い。
となると、

10年先生が離任するならプレゼントを用意したり、寄せ書きを用意して感謝を伝えたい!」

と思うのが大人。

「え!?10年先生いなくなっちゃうの!?」

と悲しさ、寂しさ、不安に思うのが部員。

社会とは残酷なもので、離任と決まったら離任なのである。
教育委員会が決めるのかどうなのかは詳しく知らないが、そういうものだろう。
そして、箝口令が敷かれるそうで、直前まで離任する本人以外、誰も離任することは知らない。

数人の大人は「そんなの建前だ」と7年先生に聞いたそうだ。

「ここ数年、毎年噂になっているそうですが、10年先生って今年離任するんですか?」
「そうですね、10年もいるので毎年噂になってますがわかりませんね。私だって7年ですし、6年先生だってそういう意味では離任の可能性ありますけどね」
「またまた〜。7年先生も10年先生が離任するかどうかわからないんですね」
「はい。わかっていても言えないですけどね笑」

みたいな話があったらしい。
どっちにしてもわからない。
大人たちは考える。
離任するとして、一番時間がかかるのは、部員から10年先生に送るメッセージだ。
寄せ書きだと全員に色紙を回すのに時間がかかるので、メッセージカードにしよう。
離任が決まったらすぐ一人ひとりに配れるようにメッセージカードを人数分準備することにした。

離任式前日、帰宅すると、洗面所から目を潤ませた娘と出会した。
眠いのかな?あくびしたかな?と思ったくらいで、手を洗ってリビングに行くと。

「聞いた!?10年先生だけじゃなくて、7年先生も離任だって!!!」

とカミさんが大声で言った。

その言葉で、娘の目から涙が溢れた。

「10年先生だけじゃなくて、7年先生もだなんて、いやだよう。どうなっちゃうの!?」

小学校の卒業式でも、ドッジボールのお別れ会でも、なんなら骨折した時だって涙を見せなかった娘が泣いた。

へぇ、娘も泣くんだ… と当たり前のことを思った。
娘が泣いた日、like a かもめが翔んだ日

女子部員はもちろん、男子部員も泣いていたそうだ。
部員にとっては大ショック。
的確な指導をしてくれて、勝利に導いてくれた先生が2人も同時に離任が決定したのだ。
悲しさ、寂しさ、部活動への不安

しかも、顧問ではないがサポートで時々教えてくれていたハンドボール経験者の先生も離任するとのこと。
「6年先生だけでも残ってくれて良かった」
と泣きながら娘。

メッセージカードが足りない!
贈呈品も決めて手配しなきゃ!
短いスケジュールの中、配布・回収・贈呈はどうする?
離任は仕方ないとして、来年新しい顧問の先生くるだろうけど、どうなるんだろう、と部員どうように不安に思いつつも、なるようにしかならないよね、と思ってる大人は事務を進めるのでした。

そんな3月の出来事がもう直ぐ一段落。
ちなみに、上記、大人の中に私は入っていない。やっぱり、お母さんたちが中心になっちゃう。

興味関心は、4月からハンドボール部はどうなるのか?
部員たちの気持ちは?
勝利の行方は?
親の心子知らず、子の心親知ってるようで知らず。