最後の試合

男子は全国大会にも出る強豪チーム。
試合はもちろん、毎回真剣勝負。少しの勇気やチャレンジがチャンスを生み、ちょっとのミスが失点に繋がる。
1つ前のプレイは忘れ、今とちょっと先のプレイに集中して進んでいくピリピリムード。
そんなピリピリムードは少し緩み、3年生最後の試合となる市の大会が行われた。
コロナのご時世もありオンラインでは応援していたが、男子の試合は肉眼で観る機会があまりなく、この度、バッチリ初めて観戦。

もう、迫力が違う。
パスは速いし、シュートも迫力あるし、空中でパスを受け取りそのままシュートするスカイまで決める。
しかし、言い方が悪いが、観ていて面白くない。
全国大会に出るチームだから、さすがに強い。
市の大会、それも初戦となると、相手が弱い。圧勝なのだ。
もちろんどちらのチームも一生懸命、点を取りに行っているのだけれども、力の差がありすぎて観ていてモノ足りなさを感じてしまう。前半が終わり、自分の身勝手さに気づく。

後半がはじまると、相手チームのベンチから応援の声が飛んだ。

「やりきってください!3年生にとって最後の試合です!!」

そうだった。これは、3年生にとって負けたら最後の試合なのだ。
前半を終えて20点差。

「やりきってください!3年生にとって最後の試合です!!」

最後の試合だとわかっている。
20分。このチームに残された最後の時間。
そう思うと、見方が変わった。
点を決めた決めないだけじゃなく、プレイひとつひとつが選手にとって、とても大切なものなんだ。
強豪校も普段試合に出られない選手を投入。そんな選手にパスが回る。点を決めるとチームメイトが笑顔で迎える。
勝負だから勝った方が良いのに間違いない。勝ちにこだわって毎回試合をしている。
でも、この大会には勝ち負けだけじゃない、それぞれに特別な時間があるんだろう。
1,2年生にとっては新チームのはじまり、3年生にとっては現チームでは最後の試合。
なんだかセンチメンタルな気分で観戦。

負けたら最後の試合。決勝戦では勝っても負けても最後の試合。
もちろん、応援しているチームに勝って欲しいが、「どっちもがんばれ!」という気分もある。
よし、今日も明日も応援しに行くぞ!と意気込んではいたが、生憎の雨で中止の本日。
天気予報では明日も雨。何とか、試合ができるようになって欲しいと願う、3連休の中日。
最後の試合の行方やいかに。