「資本主義から市民主義へ」岩井克人 聞き手=三浦雅士 読了。

暑いから

短めに髪を切った。
ここ1年くらいお世話になっている美容師さんは素晴らしい。
丁寧に髪を切ってくれるのはもちろん、自分史上最高にジャキジャキにすいてくれるから。

出かける前、娘が手を洗っている時に、ワックスを探しているとない。
「ないなぁ〜」と呟くと

「クミンパウダーでもつけておけば良いんじゃない?」と娘。

なんじゃそりゃ?と思いつつ、笑う。

どうしたらそういう発言になるんだろう。
がんばってカレーを作ろうとする時に、クミンパウダーやらクミンシードやらコリアンダーなどなど使うことはあるけれども。。。

最近読んだ本、

「資本主義から市民主義へ」岩井克人 聞き手=三浦雅士

すごく面白い!けど、すごく難しい。
ゲーデルの不完全性定理、ジョン・ロー、ゲーテの「ファウスト」、マルクス、フロイト、ラカン、ケインズ、カント、クレタ人のパラドックスなどなどなど、全然かじってない要素がたくさん出てくるので、読んでるうちに頭の中でパキパキって音がなったり、理解はできてないんだろうけど、ハッと気づいたり、目から鱗だったりで面白い。
出てきた本や理論など、勉強したくなる。
それは一貫した、岩井克人さんの論理が、もっと深く理解したいと思わせるんだろう。

語るほどの知識はないのだけれども、なぜか救われる気分になったり、現状への危惧も感じたり。

救われた部分として少し抜粋(P316)すると、

いま指摘されたように、言語・法・貨幣は自己循環論法の産物です。
貨幣はモノとして価値があるわけではない。貨幣とは、それが貨幣として使われているから貨幣としての価値をもつ。法が強制力をもつのも、言語が意味をもつのも、同様です。それだからこそ、貨幣も法も言語も物理法則にも遺伝子情報にも根拠をもたない社会的な実在性をもつことができる。そして、貨幣の上に資本主義があり、法の上に国家があり、言語の上に人間の文化すべてがある。それらを支える根拠は純粋に形式的な自己循環論法でしかない。自らの根拠を自ら作り出しているだけなのです。

大抵、根拠は?前例は?とか言われがちな世の中で、「根拠がない」ということを論理的に清々しく語っていることに、勝手に救われた気分になったんだなぁ。

だから、娘よ、クミンパウダーでもなんでも良いから、思いついたら言っちゃえ、根拠がなくても。面白かったからなお良し、人を傷つけるのはダメ絶対!

と、勝手な解釈は置いておいて、目次を。

第1章 貨幣論
第2章 資本主義論
第3章 法人論
第4章 信任論
第5章 市民社会論
第6章 人間論
補章  倫理論

この文庫本が出たのが2014年4月。
その時に読んでいたかった気もするけど、今読んで良かった。
息の長いコンテンツって良いなぁ。

WIREDでのBitcoinについての記事も読みたい。これは完全にチェック漏れ。。。