恩師からのハガキ メアドの死
中学2,3年の2年間お世話になった恩師から定年退職したとのハガキが来た。
もう何十年も前の話だが、北海道の田舎町での中学校生活、風景を思い出す。
窓ガラスは割れる、火災報知器が鳴る、タバコの匂いがする、何ならポケットに米5キロは余裕で入りそうな太いズボンに丈の短い上着の制服を着た少年が廊下で歩きタバコしている。引きずるくらい長いスカートに、これまた丈の短い上着の制服を着た女子の腹部には何故かサラシが巻いてある。先生と生徒が掴み合っている。
ビーバップハイスクールである。ジュニアハイスクールだけれども。
思い返すと、"荒れた学校だったんだなぁ〜"としみじみする。
自然と、恩師の先生生活も大変だっただろうなぁ〜という気持ちになり、お疲れ様でしたの手紙を出すことにした。
手紙といっても"字が下手くそ"というのが私のコンプレックスの1つでもある。
日頃、PCばかりで字を書く機会なんてほとんどない。よって、余計に字が下手になっていると思われる。
なので、なるべく字を書かなくて済むようにハガキを送ろうと思い立つ。
官製ハガキでは味気ない。
ロフトでちょっと落ち着いた柄の和紙のハガキを買い、原稿の下書きをし、いざ、清書。
予想以上にトホホな字である。
でも、しょうがない。これ以上、上手に書くには結構な鍛錬が必要だろう。ハガキを出すまでにどのくらいの時間がかかるかも不明。
「丁寧に書けば伝わるわよ」byかみさん
そんなことはない。一生懸命書いたところで、下手くそなものは下手くそ。上手な方が伝わるに決まっている。
と思いつつも、丁寧に書いたのだからこのまま出すことを決めた。
宛名を書き、あとは差出人である自分の名前と住所を書くだけ。
できるだけ文字を書きたくない。
自分の名前とメールアドレスを書くことにした。住所を書くよりずっと書く文字が減る。漢字よりアルファベットの方が下手さを誤魔化せる。恩師も住所は知っている訳だし。
切手代もわからないので、郵便局に行って窓口で送る。
数日後、恩師からメールが来た。
またまた懐かしい思い出が蘇る。
文面に被せて返信しようと思いながら読み進める。
メールの最後に注意書きがあった。
※ちなみに、私のパソコンは毎日たくさんのメール(ほとんどが広告などですが、)が入るので読まずに一度に削除してしまうことが多いので、このメールに返信しても見ない可能性大です。ですので、このメールには返信はしないでくださいね。
E-mail is dead.
である。
迷惑メール、広告メールにうんざりして、でも気になるからメーラーは開くけど、予想通りの広告メールばっかりなので、綺麗に削除してしまう、というところでしょうか。
そういう事もあるんだなぁ。
自分に置き替えると、仕事でメールは使うけど、Slackの割合も多いし、プライベートでメールはほぼ使わない。LINE、Signalとかだもんなぁ。
今の中学生はメール使わないでLINEだし、メアドじゃなくてLINE ID書いた方が良かったかな。
恩師がLINEやってるかどうかはわからない、60歳、元学校の先生だとメアドは持ってるだろうと思ったのだけれども、ほぼ使ってないとは。
今度は長い手紙でも書こうか、と悩む。