最後の大会の途中記録

高校野球、高校サッカー、高校ラグビー、テレビでよく観る。
チームにとっては負けたら大会は終了。
3年生にとっては最後の試合になるかもしれない。
一試合でも多く試合がしたいであろう選手たち。
1プレー、1プレーに気迫を感じ、予備知識なぞ無くても画面に引き込まれる。
予備知識が無いということは、特に応援しているチームが無いに等しい。
同じ県代表など、関連するチームだと応援したりする程度。
どっちもがんばれ! と、どちらも応援する。
しかし、勝負は勝負。
どちらかが勝ち、どちらかが負ける。
勝ったチームには称賛を、負けたチームにも称賛を。
そして、負けたチームの涙に、今までの練習、成功、失敗、後悔、やり切った感などを想像し、ちょっとウルっとしてしまう。
涙腺が弱くなったのは、年齢を重ねたせいだろう。
だって、年々、涙もろくなっている気がするから。

さて、春、夏、年末年始のテレビの向こうで行われているドラマが、目の前で起こりつつある。
娘の中学最後の大会が始まったのだ。

テレビで観る高校の全国大会とは訳が違う。
規模はテレビで観る大会の方がはるかに大きい。
しかし、娘のチームである。
応援しない訳がない。
そして、これまでの努力、あれやこれも知っている。

先輩のチームは新人戦では全国大会、春の大会では優勝、夏の大会では県大会で優勝し、関東大会まで行った。
それを引き継いだ現在のチームは、新人戦では県大会にも行けず、春の大会でも2回戦で負けてしまった。
勝ちたい、その一心でチーム一丸となり、練習しまくり考えまくり、試行錯誤を繰り返し、夏の最後の大会を迎える頃には、「どうやら強くなったらしい」と噂になったそうだ。

大会が始まった。
春の大会で負けてしまったのでシードもなく、底辺からのトーナメント。
負けたら終わり、ではなく、敗者復活トーナメントになるのだけれど、そんなことに甘んじず、スマートに県大会行きを決めて欲しい。
そんな事は当たり前のように、選手たちの方が思っている話だろう。
なにはともあれ、親は親なりにドキドキ、ワクワクしながら応援しているのだ。

1回戦目、快勝。
良かった。まずは1勝。
試合終了後、両チームとも、自チームの応援席、相手チームの応援席に挨拶をする。
娘のチームにはもちろん称賛。
相手チームの選手は涙を浮かべていた。
“勝ったチーム"も"負けたチーム"も"絶対に勝ちたかったチーム"なんだ。
その涙に、今までの練習、努力やあれやこれやを想像してしまう。
春、夏、年末年始のテレビの向こうで行われているドラマを観ているのと同じ気分。
相手チームにも称賛の拍手をおくった。

娘のチームはとにかく勝ち進んで欲しい。
2回戦目からは競合チーム。
順当に勝ち進むと3回戦目は県NO.1のチームと当たる。
ドキドキして一生懸命応援なんてしていられない。
奇声を発したり、色んなことをしゃべってしまいそうだから。
そんな私は毎試合の様子を動画に収める。
iPhoneの画面越しに試合を観る。余計なことを言わないように。。。。。