#この街がすき 故郷
飛行機から降りると
冬はもちろん、夏でも冷んやりと乾いた空気。
何度降り立っても、降りるたびに「あー、帰ってきたな」と感じる。
18歳で故郷を離れ、もう関東に住んでいる方が長いのに「帰ってきた」と感じるのは不思議なものだ。
もちろん、故郷から現在の家に帰った時も「帰ってきた」と感じるのだけれども。
年に1回くらいは
故郷に帰っていただろうか。
コロナ禍となり、娘も部活やら何やらで忙しくなり、家族で帰省することは困難になった。
両親が関東に来る方が多いのではないだろうか。
法事などで自分1人で帰省するのが最近の話。
帰省した際は、地元の友人と飲むことくらいが楽しみ。
近年はシカだらけでびっくりする。
もう10年以上前、
「The World in JAPAN 日本の中の世界」という企画を無理やり立て、同郷の友人である写真家・岡田敦氏と共に、故郷を撮影した。
岡田氏の住んでた家なども巡り、故郷再発見をしたのが思い出される。
夜景を撮影した時、街の灯りを見て、
「この灯りの数だけ生活があるんだ。故郷にはこんなに生活している人がいるんだ」
と。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
と室生犀星。
私自身、悲しくうたったことはないが、寒くなり始め、早朝などつめたく乾いた空気を感じると、ちょっと故郷を思ふことはある。
そんな時、私は故郷・稚内のことが好きなんだなぁ、と思う。